D35 友人たちと再会(その難しさについて)

今日は大学時代の友人たちが、出産のお祝いに家に来てくれた。

 

元々、そこまで付き合いが濃密な関係でもないけれど、お祝いごとがあるときちんと集まっている。性格も趣味・嗜好も、さらには人生観も、実はわりとバラバラだと思うけれど、大学時代のほとんどを部活というものに費やした間柄だからだろう。

しかし、今日は、それぞれの立ち位置の違いを改めて感じた日でもあった。今日の集まりは、果たしてあれで良かったのか・・・

反省その1:子持ちと独身の間のかみ合わなさ

よく言われることではあるが、子持ちと独身というふうに立場が変わってくると、話が合わなくなるという事態。今回は、子持ちの方が人数が多かったので、出産や子育ての話が殆どだった。

結果、独身の友人はあまり話をしなかった。

果たして楽しかったのだろうか。仕事の話とか、その他普段感じていることなどを、もっと聞いてみたかったし、本人も話したかったのではないか。

さらに、子持ちサイドがする話も面白かっただろうか。子供のシャンプーをどうしているかとか、独身にとってはかなりどうでも良さそうなテーマである(私もわりとどうでもよかった・笑)。

 

出産・子育てという、まだ経験していない事柄であるからこそ、子持ちサイドとしては、単なる「おしゃべり」として話すよりも、「人に聞かせる話」として話さなければならなかったのではないだろうか。つまり、子持ち同士であれば、当然のこととして共有されてしまう経験や感情について、もっと丁寧に、物語として追体験できるように、語るべきではないのか。

例えば・・

  • 産声を聞いた瞬間は、柄にもなく涙が浮かんだこと
  • 出産後、それまでの人(職場・社会)との繋がりが切れてしまったと感じ、無力感が沸き上がったこと
  • 夫や父母の存在が、思った以上に精神的な助けになること etc

そんなことを、もっと話したかった。

そうすれば、独身の友人も、「ああ、出産するとそんな風に思うんだね」と理解できるし、小ネタとしても使えるかもしれない(ひょっとしたら)。

そうでなければ、お互いの間に広がる断絶を、単に見つめるだけになってしまう気がする。

反省その2:子持ちにおけるワーク・ライフ・バランス(WLB)の考え方の違い

しかし、断絶というのは、子持ちと独身の間だけに存在するわけではない。むしろ、同じ立場であるからこそ、考えの違いがより意識されるかもしれない。

そして、これはWLBというか、キャリア・ディベロップメントの話でもある。

 

まず、私として意外だったのは、そこそこ偏差値の高い大学を出て、きちんと就職しているメンバーであるけれど、「がっつり育休」派が多かったこと。当初の私の「3か月で復職」というプランはかなり驚かれてしまった。育休期間中に子供を預けて大学院に行くことについても、「子供は心配じゃないの?」という反応(まあこの点については私が楽観的すぎる可能性)。

 

私が、兼業主婦であった母の影響もあって、「ザ・昭和のワーキングマザー」の考えに染まっているのかもしれないけれど。

しかし、職場から離れている時間が長くなるほど、名目的な職位・役職の遅れに加えて、実質的に面白い仕事をまわしてもらえるチャンスだって減ってしまう。単に「子育てばかりで息が詰まる」という短期的なことだけでなく、中長期的なキャリアへの影響だって絶対にゼロにはならない。

中学生くらいになれば、子供は、親の社会的な立ち位置や生き方をみるようになる。そのとき、私は子供以外のことも語りたい。そして、子供に、自分自身の将来のことを幅広く考えてほしい。

 

こうしたアグレッシブな考え方があまり共有されないことが、地味にわりとショックだった。

これは、「こうすれば良かった」という反省ではないけれど、「そこそこ高学歴の働く女性は皆、キャリアの維持・充実に熱心である」という先入観は持たないようにしようという教訓。

案外、仕事はそこそこで良いと考える人だって多いのだ。・・・しかし、これは「終身雇用の正社員」と「近年の充実した育児休業制度」が無ければ、成り立たないものだ・・・

おわりに

なんだかネガティブな話になってしまった。

今日の集まりの間、肝心の子供が「飲み足りない」モードに入っていて、しっかりと友人と交流できなかったので、フラストレーションが少したまってしまったのかもしれない。

改めて、自分がかなりドライな人間なのかもという気もしてきた。

 

けれど、やはり子供はかわいい。どうみてもかわいい。

寝顔にキスをして、今日もおしまい。